消費税について調べていくと、
「法人税が下がる代わりに、消費税が上がってきたのでは?」
といった疑問に行き着く人は少なくありません。
消費税と法人税は、まったく別の税のように見えますが、
実は日本の税制の中では密接に関係してきた税です。
その関係を、制度とお金の流れから整理します。
目次
消費税と法人税の“役割の違い”
まず、それぞれの税の性質を確認します。
法人税とは
- 企業の利益にかかる税
- 赤字なら原則として課税されない
- 景気が良いと税収が増えやすい
👉 儲かったときに負担する税
消費税とは
- 取引(売上)に基づいて発生する税
- 赤字でも発生する
- 消費が行われる限り発生する
👉 経済活動そのものにかかる税
ここで重要なのは、
消費税は「預かり金」ではなく、事業者に課される税
という点です。
法人税は下がり、消費税は上がってきた
日本では長年、
- 法人税率 : 引き下げ
- 消費税率 : 引き上げ
が同時に進められてきました。
背景として語られてきたのは──
- 企業の国際競争力を高める
- 投資を呼び込む
- 雇用を守る
という説明です。
その一方で、
不足する税収を補う役割として、消費税が拡大されてきました。
「利益課税」から「取引課税」へ
ここで税の性質の変化が見えてきます。
- 法人税 : 利益が出た企業が負担
- 消費税 : 売上がある限り事業者が負担
つまり、
景気や業績に左右されにくい税を重視する方向へシフトした
とも言えます。
これは国の財政運営としては安定しやすい一方で、
民間経済には重い負担になりやすい構造です。
なぜ企業は消費税を「負担」と感じるのか
もし消費税が単なる預かり金であれば、
- 売上から預かる
- そのまま国に納める
だけで済むはずです。
しかしながら現実には、
- 価格に転嫁できない
- 値上げするとモノが売れない
- 赤字でも納税が発生する
といった状況が起きます。
これは…
消費税がコストとして機能している証拠です。
消費税は「広く薄く」ではなく「広く重く」
よく言われる、
消費税は国民全体から、広く薄く負担してもらう税
という説明も、
実態を見ると少し違って見えてきます。
- 価格転嫁できない分は事業者負担
- 家計は支出のたびに負担
- 利益の有無に関係なく発生
結果として、
👉 家計と事業者の両方に重くのしかかる税
になっています。
消費税と法人税の関係をどう見るか
ここまで整理すると、
- 法人税 : 下げられてきた
- 消費税 : 上げられてきた
- 負担の性 : 企業の利益 → 経済活動全体
という流れが見えてきます。
これは…
誰が、いつ、どの段階で負担するのか
という問いを、
私たちに突きつけています。
まとめ
消費税と法人税は、別々の税でありながら、
日本の税制の中では補完関係にあります。
- 法人税は利益課税
- 消費税は取引課税
- 消費税は預かり金ではない
この前提を踏まえると、
消費税をめぐる議論は、より現実的に見えてきます。














