「2026年度当初予算案は、一般会計で約122兆円規模。過去最大です」
こう聞くと、多くの人がこう思うかもしれません。
そんなにお金を使うなら、少しは生活が楽になるのでは?
それとも、やっぱり国の借金が増えるだけなのか?
一方、ニュースでは──
「財政は厳しい」
「これ以上国債を出すのは危険」
「将来世代にツケを回すな」
といった言葉が繰り返されます。
では、約122兆円という巨額の予算は、私たちの暮らしを本当に良くする内容なのでしょうか。
そして、国債発行は本当に日本の将来を危うくするのでしょうか。
この記事では、2026年度予算案を軸に、国債の基本と、本当の問題点をわかりやすく整理します。
2026年度当初予算案は約122兆円規模 ─ 何が「過去最大」なのか?
一般会計総額は約122兆円、過去最大水準
2026年度当初予算案の一般会計総額は、約122兆円規模とされています。
これは名目上、過去最大水準です。
背景にあるのは主に──
- 高齢化による社会保障費の増加
- 防衛費の拡大
- 国債の利払い費の増加
といった要因です。
数字だけを見ると、「国は相当なお金を使っている」ように見えます。
それでも「生活が楽になる予算」とは言い切れない理由
しかし、多くの人が実感している現実はどうでしょうか。
- 実質賃金は伸び悩み
- 物価高で家計は苦しい
- 消費は弱いまま
122兆円も使うのに、なぜ生活は楽にならないのか。
ここに、この予算案の本質的な問題があります。
つまり、予算の規模と生活の実感は必ずしも一致しないのです。
そもそも国債とは何か?家計の借金と同じなのか
よくある誤解 ─ 「国の借金=国民の借金」
「国の借金が増えている」
「一人あたり数千万円の借金」
こうした表現を聞くと、国の財政を家計と同じように考えてしまいがちです。
しかし、国と家計は同じではありません。
日本は自国通貨建てで国債を発行している
日本政府は、自国通貨である円を発行でき、国債も円建てで発行しています。
これは、外貨建てで借金している国とは決定的に違う点です。
つまり、家計のように、「お金が尽きたら破綻」という仕組みではありません。
「国債を出す=将来世代へのツケ」は本当か?
将来世代に残るのは借金だけではない
将来世代に残るのは、「国債(負債)」だけではありません。
同時に──
- 道路や公共インフラ
- 教育や研究投資
- 雇用と経済規模
も残ります。
つまり、何に使った国債なのかが重要なのです。
何もしないことの方が将来へのツケになる
不況や停滞が続くなかで、投資を抑え、消費を冷やし、経済を縮める──
こうした選択を続ければ、将来世代に残るのは、「弱った経済」です。
何も残さないことこそ、最大のツケかもしれません。
それでも国債に限界があるのは事実
問題は財政破綻ではなくインフレ
ここは正確に押さえる必要があります。
国債発行における本当の制約は、破綻ではなくインフレです。
需要を大きく超える支出を行えば、物価が急激に上昇するリスクがあります。
ただし、だからといって無制限に国債を出してよいわけではありません。
国債は万能ではない
国債は、景気が弱いときに効果を発揮しますが、どんな状況でも使える万能薬ではありません。
だからこそ──
- 景気
- 物価
- 供給能力
これらの状況を見ながら調整する必要があります。
本当の問題は「国債の額」ではなく“122兆円の使い道”である
なぜ巨額予算でも消費は弱いままなのか
122兆円という巨額の予算であっても──
- 家計の可処分所得は増えず
- 消費は盛り上がらない
これは偶然ではありません。
国民生活を直接支える支出が弱いからです。
なぜ消費税は守られ、家計支援は後回しなのか
消費税というのは──
- 逆進性が強く
- 景気を冷やしやすい
税制です。
それでも「財源がない」という理由で、減税や給付は後回しにされがちです。
しかしながら、税源=税だけではありません。
122兆円をどう配分するかは、技術の問題ではなく、政治の選択です。
2026年度予算案で、私たちが本当に見るべきポイント
増税を語る前に確認すべきこと
見るべきなのは──
- 国民生活を底上げする支出か
- 消費と雇用につながるか
- 将来の成長を生むか
です。
「財源がない」という言葉をうのみにしない
「財源がない」という言葉は、多くの場合、別の選択肢を取らない理由として使われます。
国債をどう使うのか。
122兆円を誰のために使うのか。
そこにこそ、本当の議論があります。
まとめ ─ 国債は敵ではない!問題は思考停止だ
- 2026年度予算案は約122兆円規模
- 国債発行=即破綻ではない
- 問題は規模より、使い道と優先順位
不安を煽る声に流されず、数字と中身を見る。
それが、2026年予算案を考えるうえで、私たちがまずやるべきことです。













